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禁煙外来とは?

当院では、タバコの害を知り、禁煙を決意して、健康を取り戻す! と決意を決めた方のためのお手伝いをします。「禁煙しよう」と決めたら、禁煙指導を受けられる病院(禁煙外来)を受診することをお勧めします。
タバコに対する「心理的依存(習慣)」、イライラなどの離脱症状(禁断症状)を起こす「ニコチン依存」は、医師やお薬の力を借りなければ、なかなか克服できるものではありません。
禁煙外来では、医師が身体・精神的にサポートし、禁煙できるように導いてくれます。

なぜタバコはダメなの?

タバコの中には多くの有害物質が含まれています。それらは肺や気管支に悪影響を及ぼすだけでなく、血管を傷つけ、血管を収縮させる働きも持ちます。そのため肺がん・喉頭がん・狭心症・糖尿病といった様々な病気にかかりやすく、早期の死亡率も高まることがわかっています。これは現在言われている、メタボリック症候群などにも関係します。そして、その影響は自分にだけでなく、周囲の人へも及びます。こういったタバコの害についてはよく聞くと思います

喫煙による肺のダメージ

  • 60歳 非喫煙者
    65歳 非喫煙者
  • 70歳 1日10本 50年喫煙
    70歳 1日10本50年喫煙
  • 70歳 1日60本 55年喫煙
    70歳 1日60本55年喫煙

禁煙の壁

その理由は身体的依存と精神的依存の二つに分けられます。精神的依存というのは、喫煙が習慣になってしまっていて、「喫煙」という行動をやめることが難しい状態を言います。しかしそれ以上に身体的依存がタバコをやめることへの障害になります。タバコに含まれる「ニコチン」という物質は脳に一時的に刺激を与え快感をもたらします。それが急に切れると体がニコチンを欲し、様々な離脱症状(イライラする・頭痛・体がだるいなど)が現れてつらくなり、禁煙が続かないのです。

禁煙におけるメリット

1)病気のリスクが下がる
禁煙したその瞬間から、体は健康回復に向けて動き出します。 禁煙を続けることにより、ある期間を過ぎると死亡リスクが非喫煙者と同じ程度にまで下がります。

2)生活のリズムが変わります
禁煙することで睡眠リズムや味覚・臭覚が正常に戻ります。目覚めがさわやかになったり、口の中がさっぱりしてご飯がおいしく感じられるようになります。

3)よく言われることですが・・・
1日1箱吸うと、年間約11万円の出費になります。禁煙するとそれが手元に残り貯金を10年続けると・・・ ちょっとした貯金になります。。。

健康保険で受けられる禁煙治療

禁煙

2006年より禁煙治療に健康保険等が適用され、患者様の負担も軽くなりました。禁煙治療を健康保険等で受けるには、一定の要件があり、1回目の診察で医師が確認します。要件を満たさない場合でも、自由診療で禁煙治療を受けることができます。
病院に行く前に、自分でチェックしてみましょう。

① ニコチン依存症を診断するテスト(TDS)で5点以上

ニコチン依存症を判定するテストへ

② (1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上

例えば、25歳から1日15本喫煙している45歳の人なら、15(本)×20(年)=300であり、対象となります。

③ 禁煙したいと思っている

④ 医師から受けた禁煙治療の説明に同意

説明内容に納得されたときは、文書で同意します(サイン等)。

禁煙外来での治療の流れ

禁煙外来ではおよそこのような流れで治療が実施されます。
初診時の問診では、治療法の説明の他、ニコチン依存度、喫煙の状況、禁煙の関心度などがチェックされます。また、呼気中(吐き出す息)の一酸化炭素濃度の測定、禁煙開始日の決定と「禁煙誓約書」へのサイン、次回診察日の決定を行い、治療のための禁煙補助薬の処方を受けます。
その後、標準的な禁煙治療スケジュールでは、12週間にわたり合計5回の診察が行われます。その間、出現した離脱症状の確認や対処法などのカウンセリングや治療を受けます。

禁煙補助剤

現在、禁煙のための薬には、『飲む』タイプ、『貼る』タイプ、『かむ』タイプの3種類があります。
当院では『飲む』タイプの薬による禁煙治療をします。
例として
1日2回、食後に飲みます。
飲み始めてから8日後に禁煙を開始します。通常、12週間、服用を継続します。
12週間飲み続けますが、最初の一週目はタバコを吸いながら開始して構わないので、なかなか勇気がなくてチャレンジできなかった人には朗報です。 最初の一週間は、喫煙を続けますが、「飲むとタバコの味がしなくなる。夕方ごろに薬が切れてくると、タバコの味が戻ってくる」とか、タバコのことでいらいらしていない自分に気がついたというような表現をする方が多いようです。

『飲む』タイプの禁煙補助剤の長所

・健康保険等が適応される。
・飲むだけなので簡便
・ニコチンを含まない
・肌の弱い人でも使用できる
・接客や職業的にガムをかめない人でも使用できる

等の長所があります。

禁煙外来ではこれらの禁煙のためのお手伝いをさせていただきます。
いずれも医師の処方が必要となります。
詳しくは当院、担当医師または看護師までお尋ねください。

飲むタイプの禁煙補助剤ファイザー株式会社『すぐ禁煙.jp』へはこちらから

ニコチン依存症を判定するテスト

ニコチン依存症を判定するテスト TDS(Tobaco Dependence Screener)

設 問 内 容 はい
(1点)
いいえ
(0点)

① 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。

② 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。

③ 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか。

④ 禁煙したり本数を減らしたときに次のどれかがありましたか。(イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、憂鬱、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)

⑤ ④でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。

⑥ 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。

⑦ タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。

⑧ タバコのために自分に精神的問題(注)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。

⑨ 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。

⑩ タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。

合計    点

注)禁煙や本数を減らしたときに出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現している状態。

kawakami,N. et al:Addict Behav 24(2):155,1999

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